しばらくぶりの更新です。
改装が始まってから120日目、4ヶ月経過の本日、改装工事のお手伝いをしてきました。
内容は、床に使う木材の塗装。塗装と言っても、ペンキではなく、柿渋です。
柿渋は、まだ青い状態の渋柿を潰し、発酵させて作られるそうで、防水、防腐効果などがあるそうです。
日本では昔から使われてきた、伝統的な塗料です。
本日使った柿渋は匂いも無く、色合いも古い町家に馴染むものとなっていました。
この積み上げられた木材を一本ずつ、手で塗っていきます。
使った材料は、柿渋、軍手、ビニール手袋、刷毛、バケツ、です。
まずはビニール手袋をし、その上に軍手を。
そして、その軍手をした手を、柿渋が入ったバケツへ、イン。
柿渋に浸った軍手を軽く絞り、その手でそのまま表面をなでるように塗っていきます。
気持ちよく、すーっと伸びて馴染んでいきます。
つなぎ目の部分は、刷毛と指先を使い丁寧に。ここをしっかり塗らないと、板が反ってきた際に塗装されていない部分が見えてきてしまう、との棟梁ワンポイントアドバイス。
しっかりと、塗りもれがないようになぞりました。
塗り上げた後の板の様子。 まだまだこれからです。
途中から、設計士さんも参加してくれて、三人で進めました。
一緒に塗装までしてださる設計士さん。
この日本に、そこまでしてくれる設計士さんはどれほどいるのでしょうか。
朝9時からスタートし、徐々にコツも掴み、たくさんあった木材の山も順調に減っていきました。
そして、15時、全ての木材を塗り終えました。
その数、およそ100枚。
柿渋に染まった木材の山が出来ました。
この自分たちで塗った木材が、自分たちの宿の床になると考えると、楽しみでしょうがありません。
塗装作業はとても楽しく、気持ちよく行えました。
こんな雰囲気の床になるのだろうかと、組み合わせてみる。
一枚、3,4mはあるでしょうか。全て仕上げることができ、心地よい達成感です。
後日、この木材で床張りをした後、蜜蝋ワックスで仕上げるそうです。
どんな仕上がりになるのでしょうか。
早く見たくてしょうがありません。
こうして僕たちが柿渋を塗っていた間にも、下では大工さんが作業を進めていました。