一階では、大工さんがかんなやノミで木材を削りながら、窓枠や柱をその場でつくっていました。
こちらは、竹とヨシで編んでいる荒壁の下地。壁の下地が竹とヨシで出来ているなんて、これを見るまで想像出来ませんでした。
柿渋塗装をしてくれた設計士さんが、こちらも挑戦。この作業、慣れていないと、指先の脂がすぐに縄に取られてしまい、豆が出来たり、爪を痛めてしまいます。
ちなみにヨシとは、アシと同じ植物で、アシ(葦)が「悪し(あし)」に通じるのを忌んで、逆の意味の「良し」と言い替えたものが定着した名だそうです(wikiより)。あたりめとするめみたいなものでしょうか。
僕らもやってみましたが、すぐに手に豆ができてしまいました。
新鮮で面白い作業でしたが、壁一面やるとなると話は別だと思い、その後は職人さんにお任せしました。
こうしてこの作業を続けていくと、このように仕上がっていきます。
そして、この吹き抜けの梁が、今回の改装の見せ場の一つ。
改装前には、写真縦方向の梁が途中で切られていました。
本来、こちらも梁が端から端まで通っていたそうで、それを今回復元しました。
この力強い大きな木材は、能登の松です。
地元のものをこうして取り入れて使っていただけるのは、とても嬉しいことです。
さらに、こういった立派な国産の木がまだまだあるということにも、改めて嬉しく思います。
職人さん自らが木材を削り、大きさや縦横の梁同士のかみ合わせを調整し、塗装をして、まるで当初からあったかのように馴染んでいるこの大仕事に、とても感動します。
二階の階段ホールから見ると、まるで軽やかに支えられています。しかし、当然ながら、下から支える柱など無く、壁と天井からの細い梁で支えられています。
この吹き抜けの梁は、白にお越しになった際のお楽しみの一つとして、ぜひ頭の片隅に残しておいていただければと思います。
そんな改装工事120日目の外観は、このようになっております。
改装前と比べ、趣のあるすっきりとした表情に変わってきました。